Word で文書を保存できない

このページでは、Microsoft Word で文書を保存できない場合の対処法などを記述します。

目次

応急処置

空き容量の確保

まず、利用者領域の空き容量が十分である(Over Quota でない)かどうかを確認します。空き容量が十分でない場合には、不要なファイルを削除します

Microsoft 数式オブジェクト、および、OLE オブジェクト

Microsoft 数式(Design Science 製 MathType の簡易版)オブジェクト(以下、「数式オブジェクト」)を配置している場合に、文書の編集中にこの種類の数式オブジェクトが破損したことが原因で文書が保存できないことが少なからずあります(この場合に文書を保存しようとしたときに表示されるエラーメッセージは「開いてるファイルが多すぎるか、使用中のため保存できません」か? 要確認)。このような場合には、問題の数式オブジェクトを削除すると解決することがほとんどですが、どの数式オブジェクトが問題なのかは目視では分かりづらいです(一応、数式オブジェクトをクリックし、ステータスバーに表示される文字列が「ダブルクリックして Microsoft 数式 3.0 を編集」(正常)ではなく、「ダブルクリックして Microsoft 数式を編集」(異常)になるようなものが問題の数式オブジェクトであるという判定法もあります)ので、新しく配置されたものから順に一つずつ削除するのを試みることになります。文書を正しく保存できるようになったら、数式オブジェクトを作成し直します。Macintosh 版 Microsoft Word 2011 以降、または、Windows 版 Microsoft Word 2007 以降しか使用しないのであれば、Microsoft Word 2007 で追加された数式ビルダー(Microsoft 数式よりも高機能です)もご検討ください(注意 数式ビルダーは Macintosh 版 Microsoft Word 2008 には搭載されていません)。

数式オブジェクトが原因でなければ、他のオブジェクト(特に、他のアプリケーションソフトウェアとの連携で作成された Object-Linking-and-Embedding(OLE)オブジェクト。先ほどの数式オブジェクトも OLE オブジェクトの一種です)が原因の場合がありますので、数式オブジェクトと同様に、一つずつ削除するのを試みます。可能ならば、図形を OLE オブジェクトではなく図として配置します(図の方が動作は安定しますが、ダブルクリックして他のアプリケーションソフトウェアと連携して編集するという便利機能が損なわれます)。

他の形式で保存

どうしても標準の文書形式(Office Open XML 文書(*.docm*.docx)、Microsoft Word バイナリー文書(*.doc))で保存できない場合には、他の形式で保存することができる場合があります。但し、一般に他の形式での保存では一部の書式やオブジェクトが保持されません。その意味で第一選択になるのはリッチテキスト形式*.rtf)です。リッチテキスト形式は Microsoft Word の組版エンジンである RichEdit が標準で対応しているものであり、Microsoft Word 文書のほとんどの要素を保持できます(マクロは保持できません。また、リッチテキスト形式は Microsoft Word 2010 で Office Open XML 文書に取って代わられ、以降は更新されなくなりましたので、Microsoft Word 2010 以降で追加された要素も保持できないと思われます)。それでも保存できない場合には、HTML 形式(*.htm*.html)など、他の形式を選択します。

自動保存機能と再起動

Microsoft Word が動作停止(フリーズ)に陥った場合には、Microsoft Word を再起動すると、編集中のファイルを復元できる可能性があります(自動保存機能を有効にしている場合のみ)。

その他

文書喪失のリスクを抑えるには

基本的には、途中であっても文書をこまめに保存します。但し、上書き保存だけでは、正常な文書ファイルを破損した文書ファイルで潰してしまい、結果として文書を喪失するリスクをまだ無視できません。そのため、時々は「名前を付けて保存」により、別のファイルとして保存します。

文書を別のファイルとして保存する場合には、ファイル名に版数や日付を追加したり、版数や日付を名前に持つディレクトリーにファイルを格納するというのが簡単な方法です。より高度な方法としてはバージョン管理システム(Apache Subversion(SVN)、Concurrent Versions System(CVS)、Git など)を利用するというものがあります(注意 昔の Microsoft Word では機能「版の管理」により、一つの文書ファイルに複数の版の文書を格納することができましたが、Microsoft Word 2007 で廃止されました。また、この機能「版の管理」を使用しても、一つのファイルを共有するために、「正常な文書ファイルを破損した文書ファイルで潰してしまう」リスクを軽減することはできません)(注意 Microsoft Word 2010 以降で使用できる「バージョンの管理」は、正式に保存していない文書が対象ですので、今回の話は適用されません)。

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So Ueno
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